探偵の基本とは。
探偵業に携わってまだ日の浅い新人探偵であっても探偵の基本を理解し日頃から心がけて業務を行っていれば、いくら新人でも探偵と呼ばれる資格があるといえると思います。
探偵の基本とは、あくまでも調査は秘密裏に行う事であって、尾行、張り込みから聞き込みに至るまで相手やその関係者に調査をしている事を察知されてはならないという事です。
これが探偵の最低な条件であります。
それこそ「ばれるなら見逃せ」という言葉が探偵業界には古くからありますが、もし見逃してしまっても同僚がカバーしたり、仮に完全に失敗しても次の調査で取り返せる事ができます。
しかし、調査している事自体がばれてしまうとその後の調査に大きく支障をきたしてしまいます。絶対にあってはならない事なのです。
また張り込みなどの調査をしているとよくある事なのですが、第三者にも気を遣わなければなりません。
テレビドラマなどではよく電信柱の影に隠れて見張っている探偵も映し出されていますが、電信柱近くの人から見れば、誰が見ても不審者そのものです。
不審者として怪しまれたりして「ずっとここで何をしているのですか!?」と訪ねられても余程の緊迫した状況でない限り、探偵である身分は隠さなければならないという事です。
もしここで「探偵で張り込んでいます」とでも返答しようものなら、その人物はその時点で既に探偵を名乗る資格はないと断言できます。
その訪ねてきた近隣者が対象者と親しい間柄の可能性も考えなければならないのです。
また、警察官からの職務質問についてもなるべく回避するように努力はしますが、それでも通報などの際には探偵としての身分を明かし、公安委員会に届出をしている事実を述べないと張り込みなどの探偵調査を一般人ではしては行けない事となったので、警察署に同行されたりと調査そのものに支障が出てしまいます。
そもそも警察に通報される事自体、張り込みが下手であったという事にもなってしまうのですが、張り込み場所でのロケーションによっても致し方ない場所もあります。
このようにさまざまな障害がある中で、いかに相手に察知されず、見逃さずに尾行や張り込みができるか?
これは先輩探偵に教わっても簡単に出来るものではありません。
あくまでも経験によって会得するしかないのです。見習いの段階では先輩諸氏に同行して実際の現場を経験するしかないのです。
通常、尾行、張り込みは2名1組で調査しますが調査員の数にも入れません。
しかし、そこで経験するしかないのです。
もちろんさぼりたいとか別なものに興味を持ってしまい、集中できない人は探偵の基本云々の話ではありません。