最近、探偵業についていろいろな情報を仕入れています。
そんな中で、もしも知人などが探偵になりたいと考えているなら、私はこういうでしょう
「児玉道尚を知れ」と。
児玉道尚氏は日本の探偵業の父であると言えるかもしれません。
児玉探偵事務所(現 児玉総合情報事務所)を昭和23年に開設後、各地に支局を設置。世界初の民間の探偵学校である探偵警備士養成所や、日本調査業協会の設立に尽力され、平成11年に永眠されました。
なぜ、探偵に依頼する前に児玉道尚氏を知るべきと考えるかというと、児玉道尚氏の人生が個人の金銭的な成功を目指した物ではなく、日本の探偵業界自体の向上に捧げたものであると思うからです。
特にそれまでは各興信所なり探偵社が勝手気ままに業務を行い、業界全体としての意見の集約が行われていなかった日本の探偵業界において「日本調査業協会」の設立をなしえたことはとても大きな貢献であったと思います。
さらに、その卓越した探偵としてのテクニックを秘匿することなく若い世代に伝えようとしていたのがその著書を読んでみると非常に良くわかります。
とにかく日本の探偵をかかる上で外せないのが児玉道尚氏であるということです。次に、具体的な児玉道尚氏の功績の利用に言及します。
児玉道尚氏の功績
最近、悲しいことに興信所や探偵社に関連するトラブルが多発しています。そういったトラブルは探偵業発足時から多発してきた歴史があります。
それは探偵が誰でもなれる性質が有り、さらに探偵の業務がブラックボックス化する傾向、その業務を外部からチェックする方法がなかったり、日頃探偵業の業務自体に興味がない人が多く、一般的なコモンセンスが存在していないため適正な料金がどれくらいなのかを個人が判断することが非常に難しい事があげられると思います。
そして、浮気調査などの探偵の業務というのはケースバイケースの事例が多く「浮気調査は一件○○円」というように明示できるような性質でもないということも大きな要因だと思います。
そういった状況を改善しようとご尽力されたのが児玉道尚氏です。
まずは探偵業を行うものが加入できる「日本調査業協会」を業界団体として設立しました。
次に調査にかかわる金銭トラブルをなくすために、各調査の目安となる調査費用を書籍や児玉総合情報事務所のホームページ内で公開しています。
この情報は興信所や探偵社を利用する全ての人に勧めることができる貴重な情報だと思います。公開されている調査料金の目安から大きく逸脱した彫金を請求されたときは、その調査会社や探偵社の利用はおすすめできません。
日探十訓
児玉道尚氏によって設立された探偵警備士養成所ですが、現在、京都造形芸術大学芸術学部映画学科の学科長を務め、「夢見るように眠りたい」や「ちんなねえ BORN To BE BABY」「私立探偵濱マイクシリーズ」で知られる映画監督の林海象さんが学びその作品作りに活かしたり、警察官が尾行のテクニックを学びにくるように興信所などの各業界で非常に高い評価をえています。
探偵警備士養成所には普通科と専門科が用意されており、普通科に関しては通信教育の利用も可能となっています。
無料体験入学や一日探偵入門講座、無料体験講座等も用意されていますので、素行調査などの探偵業に興味のあるかたは一度検討してはいかがでしょうか。
最後に探偵警備士養成所で掲げられる「日探十訓」を記したいと思います。
1 礼に始まり礼に終わること
2 言語・服装・態度を乱さぬこと
3 例外のあることを忘れるな
4 親といえども絶対秘密
5 必勝は平素の研磨から
6 郷に入れば郷に従え
7 探査には念を入れて
8 変装は心までせよ
9 直調を避けよ
10 探査は心の味
探偵事務所でないものにも学ぶことが多い十訓だと思います。
児玉道尚氏は探偵学を人間生活生存学と呼んでいると言っていたそうです。探偵の仕事を体系付けられた学問まで昇華させた児玉道尚氏のご冥福を心よりお祈りいたします。