探偵としての能力を上げるためには、現場に出て尾行・張り込みの経験を積むことが一番です。
しかし、普通は新人を現場の人数の一人に含めるわけにはいかないので、調査員に同行するという形をとります。
但し、調査を失敗するわけにはいきませんから、なかなか責任のある役を任せるわけにはいかず、現場から鍛え上げていくというのも言葉ほど簡単ではないのです。
では他にどういう方法が考えられるのでしょうか?
一つは、尾行される対象者役を自前で用意する方法です。
この方法では尾行の対象者に調査が発覚(バレる)するということは絶対になく、対象者役を教師にすることで注意点などを指摘できたり、尾行者の能力を考えた訓練もできるメリットがあります。
これは警察などでも行われている尾行訓練方法です。
但し、失尾(見失う)ことはあっても発覚がないということで、本番と同じ緊張感を持たせることは難しい面もあります。
もう一つは、実際の依頼とは関係なく、適当に人を選んで尾行をすることです。
これが最も本番に近い環境を用意できますが、尾行・張り込みにまだ慣れないうちは尾行がバレてしまう可能性も高く、そうなった場合に問題やトラブルが起き、最悪警察沙汰になってしまうということです。
1.実際の調査に同行させ経験を積ませる
2.尾行対象者役を自前で用意して練習
3.適当に人を選んで尾行してみる
それぞれメリット・デメリットがありますが、これら3つの方法を織り交ぜて行うのが最も良い訓練方法ではないでしょうか。
新米探偵が経験する調査
新米探偵に経験させる調査としては、やはり浮気調査が一番適しているでしょう。
探偵業界で最も依頼の多い調査であるだけでなく、その日の調査目的が明確でわかりやすいからです。
目的が明確と言うことは、技術的なこととは別に、新人でも現場でどのように動けば良いか、何をすれば良いかがわかりやすいということになります。
その他では勤務先調査が目的のはっきりした調査として上げられます。
一方、金銭トラブルなどに関わる調査や人探し、その他複雑な案件はその日によってやるべき事が変わってきてしまうので、自分が何をすればよいのかが理解できず、新米探偵がかかわるには少々荷が重いケースもあります。
また、探偵の代名詞ともいうべき素行調査も案件により依頼者の調べたいことが違ってきますが、浮気調査のように目的を理解しやすいケースでは比較的、新米探偵は経験を積みやすいと言えるでしょう。