探偵という仕事

探偵業の業務内容

フィクションの世界では、探偵という職業にはハードボイルドで格好良いイメージがありますが、小説や映画のように、私立探偵が殺人事件を捜査したり、犯罪組織と銃撃戦を繰り広げたりすることは、少なくとも現在の日本では、まず有り得ません。

現実社会における探偵業の主な業務内容としては、浮気調査や失踪人の行方調査、結婚や就職に際しての身辺調査や、信用調査などがあげられます。

特に行動調査と呼ばれる、素行や浮気の調査は、実際の探偵業におけるメイン業務といっても過言ではありません。

対象者の行動パターンを分析し、尾行や聞き込みなどを通して、相手の行動記録を取り、後の和解交渉や裁判で、有利な条件を引き出すための資料とします。

信用調査で多いのは、親が子供の結婚相手の素姓や財産状況などの調査を依頼してくるケースです。

隠し子や借金など、後々揉め事に発展しそうな問題が無いかをチェックしたり、経歴詐称や犯罪歴などが無いかを調べます。

他にも、最近では、ストーカー対策や素行調査の相談にのる興信所も増えています。

警察が民事不介入を理由に、なかなかストーカー対策に効果的な対応を取れていない状況のため、興信所が相談の受け口になっています。

探偵のストーカー対策業務について評価できる点は、問題を未然に防ぐための手段が、ストーカー被害者に提供されるということです。

警察は事件にならないと動いてくれませんが、探偵はお金を出せば動いてくれます。

更に子供のいじめ調査も増加してきています。いじめの実態を掌握し学校ばかりでなく、刑事事件としての準備資料とします。

このいじめ調査は子供の命の問題にも成りかねませんので早急な対応が望まれます。

探偵のキャリア

公的なライセンスを発行することで、私立探偵に一定の捜査権を与えている国もありますが、日本の場合は、探偵や興信所を始めるために必要な資格や、認可制度はありません。管轄の警察署に届出を出すだけです。

したがって、探偵になりたいと思えば、その日のうちに届出を出して、証明書受け取り後すぐに独立開業したとしても、法的には何の問題もありません。

しかし、現実には素人が何の準備もなしに、いきなり興信所を始めても、商売にならないでしょう。

通常、未経験者の場合は、まずはどこかの興信所に見習いとして採用してもらい、探偵の調査に必要な知識や技術を身につけることになります。

規模の大きな興信所の場合、専門的な知識が必要となる、企業向けの信用調査などのために、会計や法律の専門家を社内に必要として、異業種から引き抜いてくるということもありますが、その場合は、あくまで専門職としての位置づけになるので、いわゆる調査を担当する探偵になりたいのであれば、必要な技能の習得は、実施で訓練していくことになります。

ドラマや小説の影響で探偵を志望してきた人の場合は、実際の業務内容が、尾行にせよ、張り込みにせよ、非常に地味で単調な作業の繰り返しになることから、期待を裏切られて、すぐに辞めてしまうことも珍しくありません。

結局のところ、その業務に興味を持てるか、耐えられるかといったところが探偵のキャリアを積んでいく上では必要になってきます。

長時間の張り込みなどもありますし、派手さがなくてつまらないと思う人や忍耐力に欠ける人はあまり向いていないかもしれませんね。

探偵業の将来性

探偵という職業自体はおそらく今後も無くならないでしょう。

最近では、インターネットを利用して、個人でもある程度の夫の浮気調査などが可能になってきています。

しかし、プロならではのノウハウで、企業や人物の信用調査を、高い精度で行うことや、ストーカー被害や、失踪人調査など、警察が本腰を入れてくれない領域への対応というニーズもあります。

家族という最小単位から、会社や地域など、様々な種類や規模のコミュニティで発生する、あらゆる種類のトラブルに、人物調査や信用調査など、探偵が行う調査が必要とされるシーンは多いはずです。

したがって、人間社会が続く限りは、探偵業のような調査会社に対する需要が失われることはないでしょう。

懸念点があるとすれば、認可制でないために、玉石混交の状態になっている点があげられます。一部の悪徳業者が犯罪まがいの行為で問題になるケースもあるため、そういった問題には規制を含めて対応が必要です。

ただし、認可制でないということは、新規参入がしやすく、健全な競争が生まれやすい、という側面も持っています。

最低限の法規制と、業界の自助努力の両面から、探偵業界の健全化を更に推し進めていくことが求められています。

この流れの1つとして、2007年には探偵業の業務の適正化に関する法律が施行されています。さらに探偵業へのクーリングオフの適用など、法律面では徐々に適正化がすすめられているようです。

しかし肝心の探偵業者のほうは悪質な一部の探偵社がいまだに幅を利かしている現状が続いています。インターネットが普及して、ある程度のお金さえかければ宣伝が容易にできてしまうということも影響しているように思います。

業界が自浄能力を発揮すると同時に、相談者の方々にも見極める目を鍛えていただく他ないです。最終的に悪徳探偵を選択してしまい、満足な調査報告を得られない状況に陥る可能性が「探偵との調査委任契約を交わす前」に認識としてあったならば、多くの相談者は悪徳探偵への依頼を回避できるはずなのです。

業界内部のことがあまり世間に広く知られることはないので、依頼者の方が悪徳探偵に引っかからないような情報を広めていくしかありません。

もしくは探偵側も積極的に情報を出していくべきなのかもしれません。

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